先月末からこのところのイベントで結婚相談が続いたので、ツラツラと思うところを書きます。
Aさん「同棲中の彼氏がいるけど結婚する気がないみたいなので別れた方が良いか」という問い。
易占で出たのは「沢天夬」
「決断すべき」という文字を見て「ああ〜」と納得されていました。
沢天夬は、恋愛相談で出ると、多くの場合「別れ」「破局」を意味します。
不要なものを思い切って除去する。決断して、決別することで、うまくいく運気です。
ただ、その不要なものというのは何なのでしょう。自分自身の心とよく向き合うことが大事です。
Bさんは「相手はいなくて、出会いもなくて、どうしたら結婚相手が見つかるか」という問いでした。
出たのは「水風井」
水風井は井戸を表す卦です。
井戸が人々を潤すためには、水が澄んでいないといけないし、瓶や縄が壊れていてもいけません。
初爻から上爻までには、濁って飲めない井戸や、壊れた井戸、誰にも知られない井戸が、次第に整えられていき、最後は人々に喜んで飲んでもらえるようになる段階があるので、イーチンタロットでもこの卦が出たときはサイコロを振っていただくのですが、二爻でした。
＜爻辞＞
「井谷鮒に射ぐ。甕敝れて漏れる」
せいこくふにそそぐ。つるべやぶれてもれる
＜意味＞
「井戸の水が小魚に注がれている。つるべは壊れて水が漏れている」
この井戸はつるべが壊れていて、汲み上げられることなく井戸の底の小魚を潤しています。力不足、条件や環境が整っていない状態です。まずは自分を整えるところから。
Ｂさんの手相を見ると、結婚線自体が出てなくて、潜在意識はまだ結婚の準備をしていないと思われました。
「本当に結婚したいんですか」と尋ねると、「したいです」
「ちなみに、どうして結婚したいのですか？」
「親が心配している」「友達や周りがみんな結婚しているから自分も焦ってる」「できたら今の仕事を辞めたい」
いろいろ理由はありましたが、「この人が好きだから結婚したい」と言う理由は出てきませんでした。
そりゃそうですね、まだ出会ってないのだから。
実はこういう会話は、鑑定をしていると本当に多いのです。
本来、結婚というのは「この人と」というのが大前提なのですが、
結婚を自分の人生の中で「クリアしないといけない課題」だと思っているために、本末転倒で空回りしたり悩んだりしているんですよね。
Ｂさんの場合は、まずは自分が自立すること。
今の仕事を辞めたいのなら、結婚関係なしに転職でもすればいいし、親が心配しているのなら、心配しないくらい充実した幸せな姿を見せればいいし。（そもそも親が娘の結婚を心配するのは、結婚しないと幸せになれないという大いなる勘違いからです）
自分の軸がしっかりできていれば、友達が結婚したところで、出産したところで、何も焦る必要はありません。結婚も出産も、人生ゲームのクリア条件じゃないんですよ。
もし本当に、結婚も出産も経験したいと強く願っているなら、自分自身を磨いて自立して、人生楽しんで輝いていたら、宇宙がふさわしい人と出会わせてくれます。
最初のAさんも、今の彼が好きだから一緒に暮らしていたのではないのでしょうか？
「結婚してくれないなら別れる」というなら、そこまで好きだったというわけではないんですよね。
「いやそんなことない！好きだから一緒にいたんです！結婚してくれるんなら結婚したいんです！」と言うなら、結婚というイベントや契約があろうがなかろうが、ずっと一緒に入ればいいと思うんですよ。
不要なものを覚悟を決めて捨てる、決断して、決別する、これは彼氏との別れではなくて、結婚という制度や体裁にこだわる自分の見栄や執着心かもしれません。
風の時代になって、多様性という言葉をよく耳にします。
人生に「デフォルト（標準仕様）」は無くなっています。
学校も行っても行かなくてもいい、結婚してもしなくてもいい、出産してもしなくてもいい、親の老後をみてもみなくてもいい。
自分が幸せになる道は何通りもあるのです。
