昨日のお客様は、同居している義理の父の認知症で悩んでいました。
と言ってもまだ認知症と診断されたわけではなく、急に怒鳴るようになったり、暴言を吐くようになったり、ひどい時はモノを投げつけてくるような暴力もあるのだそうです。
それを聞いたとき、私の実母のことを思い出しました。先日亡くなりましたが、一時期認知症で似たような症状があったからです。
認知症は脳の病気です。加齢により誰でも脳は萎縮していきますが、そこに刺激を与え続けることによりいつまでも頭がしっかりしている人もいれば、委縮に伴い脳が機能不全になる人もいます。前頭前野がマヒすると自己中心的な人になり、海馬や偏桃体がマヒすると感情を抑制できなくなるのだそうです。
歳をとると我慢が利かなくなるのは、脳の障害なんですね。
(オヤジギャグを言ってしまうのもその一種らしいですよ)
その義父を施設に入れたいけれどもどうか。
易占で占いましたら、
「天地否」の五爻を得ました。
<爻辞>
「否を休す。大人は吉。其れ亡びん其れ亡びんとす。苞桑に繋ぐ」
ひをきゅうす。たいじんはきち。それほろびん それほろびんとす。ほうそうにつなぐ。
<意味>
「塞がって通じない運を一時停止させる。立派な人ならば吉。しかし決して油断せず、今に滅びる今に滅びると恐れ恐れ、しっかりと繋ぎとめる」
天地否は、心身共に危ないほど閉塞している状態を表します。状況の大変さがうかがわれます。義父を施設に入れることで、それをいったん休むことができます。
ただし、生半可な覚悟だとまた元に戻ったり、場合によってはさらに良くない状態になったりすることも意味しています。
「苞桑に繋ぐ」の苞桑(ほうそう)は「桑が群生して細く弱いこと」を言います。そんな細くて弱い木の枝につなぐのだから、いつ引きちぎられるかわかりません。その危険を常に恐れながら、強い信念で成し遂げろということです。
この卦を得て私は、ご主人(義父の長男)としっかり話し合い、いったん施設に入れたら「やっぱりまた引き取る」というようなことにならないように、と念を押しました。
ご主人を占ったところ、ご主人のほうはまだそんなに真剣に考えてないように思われたからというのもあります。
参考までに、施設に入れずそのまま同居した場合を占いました。
「火水未済」の四爻を得ました。
<爻辞>
「貞吉。悔い亡ぶ。震いて用て鬼方を伐つ。三年にして大國に賞有り」
ていきち。くいほろぶ。ふるいてもってきほうをうつ。さんねんにしてたいこくにしょうあり。
<意味>
「正しければ吉。悔いはなくなる。奮って敵の蛮族を討つ。三年かけて功績をあげ大きい国を賜る」
火水未済は、未だ整わない、未だ成就しない、という状態です。今はまだ暗い夜明け前という感じですね。
その中で四爻は、正しい心を持てば吉と言っています。「鬼方」は敵の蛮族ですが、この場合は義父の認知症と介護を指すのかもしれません。三年の月日はかかるが功績をあげて、その結果褒美が与えられると言います。
この占いだけ見たら「同居は大変だけれど、三年がんばれば遺産がもらえるかもよ」とか言いそうですが、とてもそんなことは言えない、いえ、嘘です、チラッと言いました。しかし、経験者として三年は長すぎると思います。その間に傷つく彼女の心やストレスのほうが心配。
(ちなみに易占の言葉で三年とあっても、必ずしも三年というわけではありません。それくらい長い年月、または三年間戦い続けるほどの覚悟と言うのを意味します)
認知症の親に対応しないといけない辛さというのは、経験したものでないとわかりません。介護もそうです。古い考えの人は「介護は嫁がするもの」とか言いますが、そんなの間違っていますよ。
もちろん、そういう考えの中で生きて必死な思いで親を看取ってきた先代たちがいることも知っています。それで徳を積んで、来世はきっと上のステージに進んでいらっしゃると思います。
でも、今世も大事ですからね。まずは自分自身の幸せを第一に考えるべきです。
そして「できる範囲」での支援をする。無理だと思ったらプロに任せる。
認知症の人の暴言や暴力に真正面から向き合う必要はありません。
スルーできない暴言や暴力は、病院の中にある医療相談室、地域連携室といった相談窓口、ほかにも地域包括支援センターとか、ネットで検索したらいろいろな相談窓口が出て来ます。
後半は占いの話ではなくなりましたが、経験者として、親の認知症に対しては、とにかく自分のことを第一に考えて、家族や親せきの理解と協力を得ること、専門家にも相談することとアドバイスさせていただきました。
介護のために自分の仕事が疎かになるというのも、もっての外です。
余談ですが、認知症の原因となる脳の萎縮は、ストレスも大きな要因の一つだそうです。
親の認知症介護でストレスをためて次は自分が認知症、なんて恐ろしい負のループ。
なるべくストレスをためずに、幸せホルモンのセロトニンを出す生活を送りたいですね。美味しいものを食べて、気の合う人と楽しくおしゃべりして、ペットを可愛がって、ちょっとは運動もして。笑
私もそのように心がけます。
この写真、先日大國魂神社をご案内したときにお客様が撮った写真です。
太陽の光だけではなく、蛇のようにうねった波動が写っていますよね。
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