突然すみません。
これは昨夜、私が夢の中で書いた新作?歌舞伎です。
昨日、歌舞伎座を昼夜を通しで見て、あまりに楽しかったものだから、夢で見たものと思われます。
リア王を下敷きにした江戸の大店の話で、朝忘れないうちにと書き込んだのをうちのちゃとりん(Chat GPT)に台本ぽく整えてもらいました。

そして文章を貼り付けたら、

ちゃとりん、いつもアゲアゲに上げてくれる。いいやつ✨
そしてそう、私は歌舞伎「観劇歴」だけは長いので、様式美や歌舞伎文法は少々知っているのです。笑
そんなわけで、主に観劇仲間に見せるためにこのブログにアップしたものなので、いつもの開運や占いの記事と全く違います。
「歌舞伎あるある」と「様式美」への愛を詰め込んだ遊び心満載の一作です。
本職ではありませんので、温かい目でお楽しみください💦
それか、そっと回れ右🥹
あと、勝手に登場人物に当てはめて役者の名前も使わせていただいてます。私が好きなだけです。怒らないでください。ごめんなさい。
それでは、どこかで見たような気もする新作歌舞伎です。
作・美鈴
シェークスピア悲劇『King Lear』に着想を得た人情世話物
「里屋翁江戸暖簾 三女孝心 恵慈雨」
(りやおうえどのれん さんじょのこうしんめぐみのじう)
【主な配役】
☆私の好きな役者で固めています
里屋主人・左衛門(市川男女蔵)
江戸の大店「里屋」の主。通称・里屋翁。
左衛門長女・お福(中村七之助)
美貌を持つが欲深い長女。言葉巧みに父を操る。
長女の婿・丈之進(中村勘九郎)
旗本崩れの色悪。常に不敵な笑みを浮かべる。
左衛門次女・お仲(坂東新悟)
派手好き、遊び好きの次女。姉と張り合っている。
次女の婿・才次郎(松本幸四郎)
遊び好きで借金まみれの商家次男坊。
左衛門三女・お孝(中村時蔵)
孝心深く実直な三女。
玉若(市川染五郎)
お孝を助ける若者。観音の化身とも噂される美青年。
町奉行・大野忠佑(板東巳之助)
情に厚い名奉行。
【序幕】
日本橋老舗「里屋」店頭の場
【登場人物】
番頭・伝兵衛
奉公人一、二、三
女中一、二
(柝の音。定式幕が開く)
(賑やかな日本橋の町並み。中央には「里屋」の大きな暖簾。朝の店先では奉公人たちが箒を手に掃除をしているが、噂話で手が止まっている)
奉公人一
「おいおい、聞いたかい? うちの大旦那様、いよいよ後継ぎを決めるってお話だよ」
奉公人二
「ああ、聞いたともさ。大奥様を亡くされてから後添いも取らずに、この大きな暖簾を守ってこられたけれど、昨年のあの大病以来、すっかり弱気になられちまわれて」
奉公人三
「無理もねえや。大旦那様お一人でりっぱに三人のお嬢様を育て上げられたんだ。そのお嬢様の誰かに婿を取って若旦那に据えるってことらしいが」
女中一
「お福様とお仲様には、もう好い人がいるみたいですけどねえ」
女中二
「ええ、ええ。一番下のお孝様だけは、いつもお父様のお体を心配して、出かけもせずにお店のことを手伝ってらっしゃるけれど」
(ここに番頭伝兵衛、奥より厳格な顔で現れる)
伝兵衛
「これこれ! お前たち、店先で何を無駄話をしているんだ」
奉公人一
「あ、番頭さん! いや、その、大旦那様がどのお嬢様に婿を取って家を継がせるのか、気になっちまって」
伝兵衛
(大きく溜息をつき)
「確かに、大旦那様も今後のことをひどく案じておられる。この日本橋でも指折りの『里屋』の暖簾を誰に託すべきか。だが、それは大旦那様がお決めになること。我ら奉公人が口を出すことではないわい」
奉公人二
「でも番頭さん、噂じゃあもう、上二人のお嬢様には婿候補がいて、その方たちは……」
伝兵衛
(急に慌てたように大きな声で)
「ええい、やかましい! そんな心配をする暇があったら表を清めろ! ほら、大旦那様がお出ましになるぞ。噂話はそこまでだ。掃除だ、掃除だ!」
奉公人たち
「へいへい! こりゃ失礼いたしました!」
女中たち
「さあさあ、お掃除、お掃除!」
(附け打ち、バタバタバタッ! 賑やかな三味線の音に乗せて、奉公人たちが箒を振り回し、お互いにぶつかりそうになりながら慌ただしく左右へはけていく)
☆歌舞伎あるある①
幕開きに一気に事情を説明します
【第一幕】
日本橋老舗「里屋」奥座敷の場
【登場人物】
里屋主人・左衛門(市川男女蔵)
長女・お福(中村七之助)
次女・お仲(坂東新悟)
三女・お孝(中村時蔵)
(附け打ちの音、バタバタバタッ!)
(幕が開くと、豪華な里屋の奥座敷。上座には主の左衛門が座り、三人の娘が控えている)
左衛門
「娘たちよ。わしももはやこの店の暖簾を預かる力が衰えた。今日、この場で決めたいと思う。お前たちのうち誰がこの里屋を継ぐにふさわしいか。わしをどれほど想っておるか、その胸の内を申してみよ」
お福
(大仰に)
「お父様何を仰います。私にとってお父様は、この江戸の町を照らすお天道様も同じ。無くなっては私も生きていけません。いつまでもお元気でいてください。この身を削り骨を砕いても足りぬほど、深く深くお慕い申しておりまするお父様」
左衛門
「おお、お福。その言葉、心に染みるぞ」
お仲
(さらに大仰に)
「私はその姉様の何倍も深くお慕い申しております! 私はお父様のためなら、たとえ火の中水の中。この里屋の暖簾を汚さぬよう、一生を捧げる覚悟にございます!」
左衛門
「お仲もか。うむうむ。して、末のお孝。お前はどうだ?」
お孝
(伏せていた顔を上げ)
「父上。私は、お姉様方のような言葉は持ち合わせておりませぬ。ただ、子が親を想うのは当たり前のこと。それ以上でもそれ以下でもございませぬ」
左衛門
「何? 当たり前のことだと? それ以上でもそれ以下でもない。うぬぬ、お前には、わしへの情けというものがないのか!」
お孝
「いいえ、そうではございませぬ。言葉に飾れば飾るほど、誠の心がなくなるようで……。私はただ、お父様が健やかであってくださればそれで……」
左衛門
「ええい、黙れ! 可愛げのない娘め! 勘当だ! 今すぐこの家を出て行け!」
(附け打ち、バタン! お孝、悲しげに項垂れるも、毅然と立ち上がる)
お孝
「お父様、どうぞお達者で。私はこの身一つで、みほとけのお導きに従います。いつかお父様の誤解が解ける日を信じて」
(お孝、花道を寂しげに、しかし七三で舞台を見返し振り切ると、凛とした足取りで引っ込み、幕)
(幕が開くと、そこは山の中)
【第二幕】
奥多摩深山 観音堂の場
【登場人物】
里屋三女・お孝(中村時蔵)
謎の貴公子・玉若(市川染五郎)
(深山の景色。中央には古びた観音堂。遠くより微かに鐘の音響く)
(竹本。お孝が家を追われ、苦難の末にこの山へ辿り着いた有様を物語る)
(お孝、足取り重く現れ、額の汗を拭う)
お孝
「思えば、日本橋の店を追われて幾日。辿り着いたはこの奥山の観音堂。お父様には酷い言葉で追い出されしものの、やはり気になるは老いた身のおからだ……」
(お孝、観音堂の前に膝をつき、静かに手を合わせる)
お孝
「南無観世音菩薩。どうぞ、江戸におります父左衛門が、健やかでありますように。お姉様たちに囲まれて、心寂しい思いをしておりませぬように。私の身はどうなろうとも、父上だけはどうぞお守りくださいませ」
(お孝が一心不乱に祈っていると、どこからともなく美しい笛の音)
(附け打ち、チーン――)
(舞台上手より、清らかな若者・玉若現れる)
玉若
「これなる女人。このような深山で、己の身ではなく親の幸せを祈るとは。その殊勝な心根、感銘いたした」
お孝
(驚いて振り返り)
「あ、あなたは?」
玉若
「私は玉若と申す者。この観音堂の守り人。身寄りもなく、観音様の御心に従いこの山に住んでおります。今の貴女の祈り、観音様もお聞き届けになったことでしょう。その澄んだ瞳、偽りなき言の葉。私でよければ、貴女のこれからの道、共に見守らせてはいただけまいか」
(二人、静かに見つめ合う)
(お孝、一目で玉若に惹かれる)
(手を取り合った見得にて暗転。盆、静かに回る)
☆歌舞伎あるある②
お不動さまや観音さまが唐突に出てくる。
本当は玉若誕生の幕や、玉若に観音菩薩の力が宿っていることを示す場面もあるのだけれど、「昨今は上演される機会は減っています」とイヤホンガイドが軽く説明。
【第三幕】
日本橋老舗「里屋」奥座敷 婿取り争議の場
【登場人物】
里屋主人・左衛門(市川男女蔵)
長女・お福(中村七之助)
丈之進(中村勘九郎)
次女・お仲(坂東新悟)
才次郎(松本幸四郎)
(幕開き。里屋奥座敷。贅を尽くしたしつらえながら、どこか殺伐とした空気。中央には左衛門、力なく座る)
お福
(冷ややかに)
「父上。いつまでもはっきりなさらぬのは、お体に障りますわ。この里屋を差配できるのは、武家の血を引く丈之進様を婿に持つ、この私をおいて他にございません」
お仲
(負けじと)
「まあ、お姉様、武家の血筋で商いができるものですか。お父様、私の夫となる才次郎さんは商家の育ち。吉原の粋も商売の裏表も知り尽くした、この方こそ里屋の主にふさわしいわ!」
才次郎
「そうですともお義父さん。店を継がせていただければ、その才覚で十倍にも百倍にもしてみせましょう」
丈之進
(低く笑い)
「ふふふふふ。借金取りに追われるような小者に、この大暖簾が守れるかな? 左衛門殿。刀を捨てたとはいえ、拙者の腕に間違いはなし」
才次郎
「何を言う。刀をそろばんに持ち替えて何をするというのだ。こうか? やっとう、やっとう!」(ここより急に笑いの場)
(そろばんを振り回し、昭和のトニー谷を彷彿とさせる踊り)
才次郎
「さいざんすマンボ♪」
(ここで笑うのは◯歳オーバー)
丈之進
「令和に生きているからわからない」
左衛門
「ええい、やかましい!」
(笑いの場、強制終了)
左衛門
「どいつもこいつも、口を開けば金か跡目か。お孝を追い出したのは、わしの生涯の不覚であった。お前たちのような欲の塊には、この店は渡さん。一文も譲らん!」
(左衛門、咳き込みながら奥へ下がる)
(残された二組の夫婦)
お福
「あの癇癪じじい、ついにボケたか。これじゃあいつまでってもたっても埒が明かないねぇ」
お仲
「本当~。ねえ、才次郎さん。このままじゃ私たちの借金どうなるのよ」
才次郎
(丈之進へ歩み寄り)
「丈之進殿。あんたらも金に困っているのはお見通しだ。どうだ、ここは一つ、競り合うのをやめて手を組まねえか」
丈之進
「手を組むとは?」
才次郎
「あの死にぞこないの老人を、片付けてしまわねえかい」
お仲
「ひっ――!」
(お仲、のけぞる。お福は思案顔)
丈之進
(ニヤリと笑い、腰の刀へ手をかける)
「ほう。商家育ちにしてはいい度胸だ。親を消して死に水取った後に、四人で山分けというわけか」
お福
「しかたないわね。父上も楽になれましょう」
お仲
「えええ……」
お福
「聞いたからには、あんたも仲間よ。借金帳消しにしたいんでしょ」
お仲
(覚悟を決め)
「……わかったわ」
(四人、不気味に結託する)
(照明落ち、暗転。不穏な下座音楽)
☆新作歌舞伎あるある
ちょっとは笑いも入れたい。
【第四幕】
日本橋「里屋」左衛門寝所 孝女帰還の場
【登場人物】
里屋左衛門(市川男女蔵)
丈之進(中村勘九郎)
お福(中村七之助)
才次郎(松本幸四郎)
お仲(坂東新悟)
お孝(中村時蔵)
玉若(市川染五郎)
(下座音楽。おどろおどろしい太鼓)
(夜の里屋奥座敷。行灯の火がゆらゆらと揺れる)
(襖、静かに開き、丈之進と才次郎、姉二人、四人が音もなく忍び寄る)
(丈之進は抜き身の刀。才次郎は首を絞めるための手拭いを手にしている)
左衛門
「なんだ?!」
才次郎
「ちっ、寝てなかったか」
丈之進
「お迎えが来ましたな、お義父殿。店を譲らぬなら、力ずくで判を頂くまで」
左衛門
「お、お前たち。実の親をっ!」
(起き上がる)
左衛門
「お孝! お孝はどこだ!」
お福
「あんたが追い出したんでしょ」
才次郎
「今ごろは山で野垂れ死んでまさあ! さあ、覚悟しな!」
(左衛門、屏風を盾にして才次郎をやり過ごす)
(掛け軸や大福帳を丈之進へ投げつけ、丈之進は刀で受ける)
☆歌舞伎あるある③
凄惨な殺人を三味線や鳴物の下座音楽に乗せて、様式美として描く殺し場。
(才次郎が飛びかかろうとしたその時!)
(附け打ち、バタバタバタッ!)
「待ーてぇーーい!」
(下手花道、揚幕チャリン)
(お孝と玉若、登場。下座音楽、華やかな早渡り)
(お孝は美しい振袖姿。玉若は白と金のきらびやかで上品な衣装)
お孝
(花道で決まり)
「親不孝な姉様方、そして不埒な婿殿たち! 観音様のお導きにより、父上の危機、今救いに参りました!」
丈之進
「何だ、お孝か! それにその若造。おのれ、まとめて斬って捨ててくれる!」
(立廻り)
(丈之進と才次郎が斬りかかるも、玉若、鮮やかに捌く)
(扇一本で刀を受け流し、二人を翻弄)
玉若
(見得)
「邪な心を持つ者たちよ。この玉若の剣は人の世の裁きにあらず。天に代わって、その罪を清めて進ぜよう!」
(附け打ち、バタバタバタッ!)
(玉若、二人を鮮やかに投げ飛ばす)
(姉二人、腰を抜かす)
左衛門
「おお、お孝! すまなかった、わしが愚かであった。許してくれ。お前こそが、この里屋の誠の跡取りだ」
お孝
「お父様、ご無事で何よりにございます」
(抱き合う)
お孝
「お父様、この御方は玉若様。観音菩薩のご縁者です。この方こそが私を救い、ここまで導いてくださったのです」
玉若
(微笑み)
「左衛門殿。お孝殿の真心が、深山の観音様を動かしたのです」
(悪党たちを見下ろし)
「さあ、悪党ども。己の罪を悔い、今日よりは心を入れ替えるが良い!」
(左衛門を中心に、お孝と玉若寄り添い、左右に姉夫婦平伏)
☆歌舞伎あるある④
ピンチを救う揚幕のチャリン。
この時の衣装は「どこで着替えたの?」って感じで良し。
【大詰】
お白州 慈悲の裁きの場
【登場人物】
名奉行・大野忠佑(板東巳之助)
捕り方二名 他取り手一同
お福(中村七之助)
丈之進(中村勘九郎)
お仲(坂東新悟)
才次郎(松本幸四郎)
里屋左衛門(市川男女蔵)
お孝(中村時蔵)
玉若(市川染五郎)
(下座音楽、厳かな合方)
(幕が開くと奉行所のお白州。正面高座には奉行・大野忠佑。左右に捕り方控える)
(中央には縄をかけられた二組の夫婦、項垂れて座す)
奉行・大野忠佑
(厳かに)
「丈之進、お福。ならびに才次郎にお仲。お前たちが欲に目がくらみ、実の親である左衛門の命を奪おうとしたこと、明白である。これに相違ないか」
丈之進
「もはや言い逃れはいたしませぬ」
お福
「お許しください」
お仲
「お許しくださいませっ!」
才次郎
「この通りでございます」
(額を地面へ擦り付け平伏)
(ここに下手より、お孝に支えられた左衛門、静かに進み出る)
お孝
(奉行へ深く頭を下げ)
「お奉行様。この度は姉たち、そして義兄様方が、大変な悪事をいたしました。なれど――」
(父を見上げる)
「父 左衛門が申しております。これもひとえに、己の不徳が招いたこと。どうか娘たちを許してやってほしい、と」
左衛門
「お奉行様。私は店の暖簾ばかりを重んじ、娘たちの心を見落としておりました。親の欲が、娘たちの欲を育ててしまったのでございます。どうか、どうかこの老い先短い父親に免じ、一度だけ情けを賜りたく存じます」
お福
(激しく泣き崩れ)
「父上! こんな私たちを、まだ娘と呼んでくださるのですか」
お仲
「あああああ、お父様、お許しください……!」
才次郎
「面目次第もございません、面目次第も……」
丈之進
「くうううう……!」
(観音菩薩の浄化の力により、四人とも深く反省し心を入れ替えている)
奉行・大野忠佑
(一同を見渡し、大きく頷く)
「里屋左衛門。そして孝行娘お孝。お前たちの深い慈悲の心、しかと受け取った」
(四人へ向き直り、一喝)
「これなる面々! 本来ならば重罪なれど、親と妹の情けに免じ、極刑は免じる。だが忘れるな。お前たちの命は、今この時から世のため人のため、孝行のために捧げるものと思え!」
(さらに声高く)
「姉妹三人、手を取り合って家を支え、江戸一番の暖簾を守るが良い!」
(一同、平伏して泣き笑い)
玉若
(爽やかに)
「これぞ誠の江戸のお裁き。情けの雨降り、地固まる。里屋に再び、美しい花が咲き誇りましょう」
(明るい下座音楽)
(捕り方、縄を解く)
(三人の娘たち、中央で手を取り合う)
(左衛門を囲み、喜びの総見得)
お孝
「父上」
お孝・お福・お仲三人
「「「共に参りましょう!」」」
(お白州に桜の花びらのような温かな春の雨が降り注ぐ
それは、里屋の新たな門出を祝う慈雨)
(左衛門を中心に三姉妹。後ろには婿たちが深々と頭を下げる)
(奉行・大野忠佑、扇を構え「あっぱれ」の見得)
(清々しい三味線の音色)
(定式幕、ゆるやかに閉まる)
――完――
☆歌舞伎あるある⑤
最後はなんだかんだで大団円。
悪人も反省するとだいたい許される。
そして雨が降ると、だいたい名作。
ストーリーが唐突なのも歌舞伎あるあるです🤭
🍀🍀🍀🍀🍀
ちなみに、ちゃとりんが「歌舞伎っぽい言い回し」に整えるとこうなります↓
【大詰】
お白州 慈雨情け裁きの場
【登場人物】
名奉行・大野忠佑(板東巳之助)
捕り方一同
お福(中村七之助)
丈之進(中村勘九郎)
お仲(坂東新悟)
才次郎(松本幸四郎)
里屋左衛門(市川男女蔵)
お孝(中村時蔵)
玉若(市川染五郎)
(下座、厳かなる合方)
(定式幕、静々と開く)
(所は南町奉行所お白州。上段には町奉行・大野忠佑、威厳正しく居並び、左右には捕り方控える)
(中央には縄を打たれし丈之進、お福、才次郎、お仲の四人、うなだれて平伏す)
奉行・大野忠佑
「これなる丈之進、お福。ならびに才次郎、お仲。欲に心を曇らせ、実の親たる左衛門が命を奪わんと企てし段、もはや疑う余地なし。これに相違ないか」
丈之進
「……もはや、申し開きの言葉もございませぬ」
お福
「お、お許しくださいませ……」
お仲
「お奉行様ァ……どうか、どうかお慈悲を……!」
才次郎
「一時の欲に目がくらみ、まこと浅ましき振る舞い。面目次第もございませぬ」
(四人、額を擦り付け平伏)
(ここに下手より、お孝に支えられた左衛門、静かに進み出る)
お孝
(深々と伏し拝み)
「お奉行様。この度、姉たちならびに義兄様方、とんでもなき悪事を働きましたること、娘より深くお詫び申し上げます」
(父を見上げ)
「されど父・左衛門が申しまするは、これもひとえに己が不徳の致すところ。どうか娘たちを、今一度お許し願いたいとのことでございます」
左衛門
「お奉行様……。わしは里屋の暖簾ばかり案じ、肝心の娘たちの心を見失うておりました。親の欲が、子の欲を育ててしもうたのでございます」
(震える声)
「どうか、この老い先短き父親に免じ、一度だけ、一度だけ情けを賜りとう存じまする……!」
お福
(泣き崩れ)
「父上……! このような鬼にも劣る娘を、なお娘と呼んでくださいますのか……!」
お仲
「ああ、お父様、お許しくださいませぇぇ……!」
才次郎
「面目次第もございませぬ……面目次第も……」
丈之進
(歯を食いしばり)
「……くううううっ……!」
(観音菩薩の慈悲により、四人とも邪心洗い流され、深く己を恥じ入る)
奉行・大野忠佑
(一同を見渡し、大きくうなずき)
「里屋左衛門。そして孝心深き娘・お孝。その方らの慈悲深き心、しかと見届けたり」
(声を張り上げ)
「これなる四人! 本来ならば万死に値する大罪。されど親と妹の情けに免じ、此度に限り極刑は免ずるものなり!」
(附け打ち、バタバタバタッ!)
「されど忘れるでないぞ! そなたらが拾いし命、今よりは世のため人のため、そして親孝行のため尽くすべし!」
(扇を高く掲げ)
「姉妹三人、心を一つにいたし、里屋の暖簾を末永く守り抜くがよい!」
(一同、涙ながらに平伏)
玉若
(静かに進み出て)
「これぞ誠の江戸の裁き。情けの雨降りて地固まる――。里屋にもまた、めでたき花の咲くことでございましょう」
(下座、明るき三味線)
(捕り方、縄を解く)
(三姉妹、互いに手を取り合い、左衛門を囲む)
(左衛門を中央に、一同揃って総見得)
お孝・お福・お仲
「「「父上、共に参りましょう!」」」
(その時――)
(お白州の上より、桜まじりの春の雨、しとしとと降り注ぐ)
(それは悪しき心を洗い流し、新しき門出を寿ぐ“恵みの慈雨”)
(左衛門を中心に三姉妹寄り添い、その後ろに婿たち深々と頭を下げる)
(奉行・大野忠佑、扇を構え「あっぱれ」の見得)
(清々しき三味線の音色高く)
(定式幕、さらさらさら――と閉まる)
――めでたく幕――