年始にあるお客様の「パートナーとの相性」を占ったところ、
火風鼎(かふうてい)の初爻を得ました。
卦辞「鼎、元いに吉。亨る」
鼎(てい)は中国の三本足の鍋のことです。
「かなえ」と読み、「鼎の軽重を問う」ということわざで知っている人も多いですよね。
この卦自体は「大いに吉」で、どっしりとした鍋ですから「安定」しています。
ただ、初爻なのでそちらの爻辞も見ないといけません。
爻辞
「鼎、趾(あし)を顚(さかしま)にす。
否を出すに利(よろ)し。
妾(しょう)を得てその子を以てす。咎なし」
鍋をひっくり返して、底に溜まっているゴミを捨ててから新しい料理を作ります。
悪いことはこの際全部さらけ出して解決しましょうという意味です。
そうすれば美味しい料理が食べられる。先々はとても楽しみの多い卦です。
「古いものを手放してから新しいことを始めなさい」というメッセージですので、パートナーとの相性を見た場合は、自分や相手に清算しないといけないことがないか確認すべきです。
清算して、心機一転、新しい生活が始まります。
鼎が三本足であることから、恋愛を占ったときは「三角関係」にも要注意の卦です。
( ̄▽ ̄)>
詳細は聞いていませんが、もしも再婚で義理の子どもができたとしてもそれは吉です。
「妾を得てその子を以てす。咎なし」ですからね。
良い跡継ぎを得られたということです。
私は、この爻辞を見て、あるセミナーでの講師の言葉を思い出しました。
「先入観は一度きれいに全部捨てて、空っぽの素直な心で聞いてください。
コップに汚れた水が入っていたら、上からどんなにきれいな水を注いでも、その水は飲めませんからね」
うまいこという!
鍋底にゴミが溜まってたら、どんなに新しくおいしい食材を追加しても食べられません。きれいな鍋にして料理を始めましょう。
この火風鼎の初爻を別のお客様で得たことがあります。
学生時代に成績が悪くてイジメを受けたこと、新卒で入った会社でも人間関係で嫌な思いをして辞めたことなどが忘れられずに、自信を失っていました。
それでも「変わりたい」と思っていたところに、この火風鼎の初爻が出ました。
その場合、鍋をひっくり返して掃除すべきものは「過去の自分」や「過去に対するネガティブな気持ち」だと解釈しました。
どうすれば清算できるのかという質問に対しては、
私なら、過去の自分を「あの時はそうだったね」と丸っと肯定する。
そして、嫌な目にあわされた相手のことも、丸っと許す。
そして、必要がない限り思い出さない。
と、答えました。
正解かどうかはわかりません。
でも、変わろうと思えば、いつでも人は変われます。
(私なんか「昔はああだった」とかいちいち思い出していたら、とても今の言動はできませんよ。ホント)
2019年は「変化運」です。
良い変化を取り入れて心機一転スタートしたい人、鍋をいったんひっくり返して大掃除しましょう。
写真は、台湾の故宮博物院で見た「毛公鼎」です。
1850年頃に出土した「中国古銅器中 最も長文の銘をもつ鼎」として紹介されていました。
ちなみに台湾の故宮博物院は、写真撮影が自由の上に、日本語の解説もしっかりありました。