今好きな人(Aさん)と付き合っているけれど、元カレ(Bさん)から執拗にアプローチされて揺れている女性の易占をしました。
彼女自身 天山遯 初爻
〈爻辞〉
「遯尾厲うし。往く攸あるに用うる勿れ」
とんびあやうし。いくところあるにもちうるなかれ。
「天山遯」は良くないものからさっさと逃げるべき時に出る卦です。
しかしこの初爻は既に逃げ遅れてしまっています。危ない状態です。
動かずにじっとしていた方が良いです。
Aさんとの関係は、天沢履 初爻
〈爻辞〉
「素履す。往きて咎なし」
そりす。いきてとがなし。
「天沢履」は、危険を避けてそろそろと履み進む卦です。
危険をはらんだ状態で、慎重さが求められます。
初爻は、飾ることなく、ありのままの自分で進みます。
無欲、無策でかえって無事を得ます。進んで問題なしです。
相手が年上の立派な男性を表わす卦ですが、話を聞くとその通りでした。
尊敬できる相手だけれど、あまり向こうからの情熱を感じなくて、今も熱烈に愛してくれているBさんに心が揺れているそうです。
Bさんとの関係は、風地観 初爻
〈爻辞〉
「童観。小人は咎なし。君子は吝」
どうかん。しょうじんはとがなし。くんしはりん。
「風地観」は、観察することを表わす卦です。心の目でしっかりと見ることを求められます。
この初爻は子どものように視野が幼く、狭く、浅く、本質を観ることができません。
器の小さい人ならばそれでも問題ないですが、ちゃんとした大人だったら残念なこと。
相手に対する見込み違いや見当違いがあります。が、小人の道を選んでも良いなら問題ありません。
お話を伺うと、彼女自身も今はAさんと関係を続けたいと思っているようです。
ただ、Aさんとこの先上手くいくのかどうかが不安。
ここからはご本人にカードを引いていただきました。
Aさんの気持ちが知りたい、天沢履 二爻
〈爻辞〉
「道を履む。坦坦。幽人貞吉」
みちをふむ。たんたん。ゆうじんていきつ。
私が事前に彼女とAさんとの関係を占ったときにも出た「天沢履」です。同じ卦がでるんですね。
先方も、危険を避けてそろそろと履み進んでいるようです。
二爻は、心を乱されず淡々と自分の道を進んでいます。山里に隠遁している人のように世俗の汚れにまみれないから吉。
この方が、情熱的でない(ように見える)というのは、このように平常心で立場をわきまえているからです。
それでは、このままAさんと付き合い続けていけば、今より関係は良くなるか
と言う質問にカードを引いてもらうと、
火風鼎の二爻
〈爻辞〉
「鼎に実有り。我が仇疾有り。我に即く能わず。吉」
ていにじつあり。わがあだやまいあり。われにつくあたわず。きち。
「火風鼎」の鼎とは、三本脚の付いた鍋のことで、神様に捧げる供物を煮炊きします
この二爻では、鼎の中に料理するための具材がいっぱい入っています。ただし、すぐそばには病があると言っています。
火風鼎の初爻では、鼎を逆さまにして中のゴミを出しています。新しく煮炊きをするときには、まず中のものをきれいに出して、鍋を洗うこと。
恋愛でいえば、過去の清算が大事ということ。そして、新しい鍋に新しい具材を入れましたが、すぐ近くには先ほど出したゴミが残っている。(これを病に例えています)
そのゴミがまとわりついてきても、鍋の中の料理が汚れないようによく注意して吉だと言っています。
すごく、状況にピッタリの卦ですね。
この卦は、誘惑が多い時に出ますし、誘惑に負けそうなときに注意しろという卦です。
鼎は、三本足の鍋なので、恋愛占いで出てくる時は「三角関係」を意味します。
明らかに彼女が両方の男性とのあいだで迷っていることを意味しています。
過去のことはしっかり清算して、今付き合っている彼を大切にすることです。
本人のしっかりした気持ちが大事です。
火風鼎の〈卦辞〉は、
「鼎は、元いに吉。亨る」
ていは、おおいにきち。とおる。
自分がしっかりして、問題改善することで、吉を得ます。